編集後記
編集後記
「人の噂も七拾五日」「喉元過ぎれば熱さ忘れる」等、日本にはこんな「ことわざ」がささやかれてきました。今を遡ること5年前の3月11日にほとんどの日本人が今迄経験したことのない様な「東日本大震災」が発生したことはまだ皆様方の記憶に残っていることでしょう。東北地方においては、あまりにも被害が甚大で今もまだ完全には復興に至らない状況が続いているところであります。我々の東京においても湾岸エリアを中心に地盤の液状化や津波そして超高層ビルの弱点でもある長周期波地震による大きな揺れに恐怖を覚えた方々も少なくなかったはずで、震災直後は、「ウォーターフロントエリア」はトップクラスの人気エリアから一瞬にして危険エリアへと変わってしまい、超高層マンション等の売買は敬遠され、なかなか売却できない時期もあったのです。しかしどうでしょう、2020年の「東京オリンピック」効果もあるとはいえ、又制震や免震技術を取り入れたとは言え、まだ実績があるとは言い切れない現状の中で、近年再び超高層マンションの建設が急増し、ニューファミリーの方々を中心に日本でも屈指の人気エリアへと変貌しているところなのです。人間の記憶の曖昧さとあの時の恐怖に対する逞しさに感動すると共に、少々不安さえ覚えてしまうのは私だけでしょうか。